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その日、店主はいつも通り、日がそれなりに昇ってから起き出した。
顔を洗い、歯を磨いて口の中をきれいにする。それから古びたケトルに水を入れ、火にかける。
目覚めのお茶を入れるために。
湯が沸くまでに、髪を整える。
眠い。
そうこうしている内に湯が沸いた。ポットとカップに少し注ぎ、捨てる。
温まったポットに茶葉を入れる。
アッサムCTC。飲みやすく、扱いやすい。香りはやや弱いが、味がしっかりしているから、ミルクを入れるとちょうど良い。
茶葉の量をはかり、ポットに入れてから、勢いよく湯を注ぐ。
ふたをして、ティーコジーをかぶせ、蒸らす。
このあたりの作業は、毎日しているので、特に意識せずともできる。
時間をはかるために砂時計を置いて、さて、次はと思った時。
ごとり。
扉の方から、妙な音がした。
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