ブレインコントロール1

2/2
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
林田信広は、自分がすむアパートから近い公園のベンチに座り、空を眺めていた。 「今日も神は俺をみすてたのか。」 実は、半年前、二年間付き合っていた彼女と別れ、三ヶ月前、父親が肺ガンで他界し、そして今日、五年前から勤めていた会社をクビになったのだった。 そう、林田信広には不運ばかりおとずれていた。 長い間、空を眺めていたが、何かを思いついたように立ち上がった。 「もういいや。死のう。」 午前二時、林田信広は、アパートの屋上にいた。 「母さんには、悪いが、こんな人生はもうたくさんだ。今まで育ててくれてありがとう。」 飛び降りようと、足を前に出したその時、 「脳を買いませか?」 と聞こえた。 後ろを振り返ると、黒いスーツを着た老人がこちらを見ていた た。 (2へ続く)
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!