凍りついた瞳

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それは私が幼い頃に こっそりと家を抜け出して外で遊んでいた時 下町の友達が脅かすように言っていた言葉。 ***** “黄昏時には早く家に帰らなきゃ行けないよ。 じゃないと吸血鬼に血を吸われてしまうからね” ―吸血鬼?なぁにそれ? “人間の血を吸う化け物さ。スコットランドからここまで人を狩る為にやってきた奴らだよ” ―化け物? “そうさ。奴らは不老長寿で美しい顔立ちをした化け物で黄昏時によく現れるらしい” ―なら、もうそろそろ黄昏時だし、彼らに会えるかしら? “馬鹿を言うなよ。奴らに会ったらその体が干からびる程血を吸われるぞ。だから早く帰らなきゃいけないんだ” ―そう…。でも少しだけ彼らに会ってみたいわ “お前は本当に変わり者だな。ああ、そうだ。ついでに教えといてやるよ。 その吸血鬼の名前は ―エリオットだ。”
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