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「エリオット…?」
不意に頭をよぎった記憶を振り切るように頭を振ってエリオットと名乗った青年を見上げる。
自分よりも頭2つ分以上も高い身長であるが体はいたって細めであり
どこか人を魅了する妖艶な雰囲気を醸しだしていた。
「俺の名を、聞いたことがあるのか?」
まさか、彼があの吸血鬼だなんて
そんなことあるはずがないと
そう言い聞かせてジュリアは彼に微笑む。
「いいえ。勘違いだったみたい。それより貴方こんな所で何をしていたの?」
こんな暗い森の奥で一体彼は何をしていたのか。
それに先程苦しんでいた彼の様子も気にかかる。
尋ねるとエリオットは言い淀みながら眉を寄せ
「俺は…ここの近くに住んでいるから」
そう答えた。
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