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「んもう!!どっちがどの方角だか全く分からないわ!」
辺りは赤く染まり鬱蒼とした森の中で
ジュリアは叫ぶ様に文句を吐き出した。
森の中を歩くには不似合いな格好で来たため長い桃色のドレスは所々切れていて
ドレスの裾からむき出しになった腕や足には多数の擦り傷ができていた。
何より高いヒールの靴で歩き回ったため足が悲鳴を上げている。
ぼろぼろの姿だったと形容するのが何よりしっくりくるだろう。
しかし彼女は格好のことなど全く気にもせずに更に森を進んで行く。
「帰ったら…また母様に叱られるんでしょうね。」
身の危険を感じるよりも
恐らくは稽古の途中で抜け出した自身に怒っているだろう母親の姿を思い浮かべてうんざりとしながら
ジュリアは森の奥深くへと進んで行った。
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