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ジュリアがここに来た訳は数時間前の出来事に遡る。
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「ジュリア!ダンスのお稽古の時間よ!!」
毎日定時刻に始まる社交ダンスのお稽古。
そしてその後礼儀作法やら何やらのレディのたしなみに必要であるらしい山程のレッスンに駆り出される。
先月16歳になったばかりのジュリアは本格的に淑女としての教育を施されていた。
「お嬢様!どちらにいらっしゃいますか!?」
遠くから自分を呼ぶ母と家庭教師の声。
ジュリアはその声の主達に見つからぬ様に家の一室に身を潜め、今まさに窓から飛び降りようとしていた。
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