朝は夢から覚めて

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朝から実演で握力自慢をしてくるこの女性は別に幼馴染みでもなければ同じ高校に通う同級生でもない 「早く支度をなさい」 「ご飯は食べなくていいから顔を洗って」 ・・・・・・・・・・・・教えてやりたい。時代は朝御飯を大いに推奨していると言うことを! 朝御飯は1日の活力だと言う事を! などと考えながら淡々と朝食を抜くおれは世に言う腰抜け 鞄に勉強道具を詰めるなどの殊勝なことをすることもなく 「支度できたよ、そろそろ行こうか」 軽いお煎餅のような鞄を肩に掛けながらご報告する 「待たせておいて何がそろそろ行こうかですか」 「それに敬語はどうしました敬語は」 「朝御飯を抜けなんて言う大人は尊敬に値しない 」 ふいっと後ろにいる彼女に振り向きながらいい放つと、当たり前のようにそこには人影はなく、 「ヒっ」 なんて一瞬ビビってしまったが、おれが後ろを向く方向と逆側から前に回り込まれただけだった。 しかも置いていこうとしている!? 「ちょ、ちょっと待ってよ」 「先生!」
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