ひび割れる目の前

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ちぇっ、なんだよ大人ぶって 「夕月君、ブツブツ気持ち悪いですよ」 普通にひどい! けど確かにもう学校だ。 緩やかな坂が始まっているから、校門までもう少しだろう 坂を少しいくと今は青々とした並木道が続いていた。 この坂は春になれば桜並木になって生徒を迎える 卒業生はうまくいけば満開の桜並木を思い出に卒業していく 不幸にも蕾や葉桜を眺めながらの卒業生もいるだろうけれど、それもまたひとつの思い出として刻まれていくんだろうか。 まさか桜を恨みながら卒業していく人間もいないだろうけど 自分も2年生も半ばのせいか、この坂を通ると少し感傷的になってしまったりすることもある。 今日は騒ぎながら登校(&出勤1名)したせいかその反動かな? などと考えていると ぴ  しっ なんだろう? 今・・・なんかノイズみたいな もう見えないけど、あれは 「林部君?」 「は、はい!」 「どうしました先生?」 先生はいつも校門をすぎればおれのことを名前では呼ばない、曰くケジメなんだとか
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