知人

3/35
前へ
/736ページ
次へ
……そうだった。 浮かれ過ぎていて、考えていなかった。 病院に居た理由も、更にはタクシーに乗った筈の自分が、あんな所に居た理由も。 不自然に決まっている。 手首がだるくなり、啓輔は取りあえず持ったままだったラテをテーブルに置いた。 沙織はラテを両手で持ったまま、答えを待っている。 「……それは…」 いつもの自分なら、どんな局面であっても咄嗟に対応出来る自信があるのに…、どうした事か。 すると沙織は、ラテをテーブルにコトッ…、と置いた。 「 そういえば、この間も顔色が余り良くなかったですよね…。 どこか…、具合でも…?」
/736ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6927人が本棚に入れています
本棚に追加