6924人が本棚に入れています
本棚に追加
全然連絡出来ない啓輔の事を、つい思い出してしまう。
こんなに逢いたいのに。
声すらも聞けないで。
このまま、聡と別れた時みたいになったら……。
寂しい気持ちを紛らわす為に来た同窓会で、余計に不安な気持ちになるなんて…。
今にも泣きそうな沙織の様子に、聡は動揺した。
「……ど、どうしたんだよ…。
とにかく抜けよう。どこか落ち着いた所でゆっくり話を…」
聡はまた沙織の腕を掴み、強引に引っ張っていく。
「 お願い…、離して…!」
すると、イテッ、という声と共に、沙織の腕から聡の手が離れた。
驚いて顔を上げると、聡の腕を後ろ手に締め上げる人物と目が合った。
最初のコメントを投稿しよう!