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「……良かったの? 同窓会 」
途中で抜けて来た沙織に、啓輔は少し戸惑ったようにそう言った。
いいの、と繋いでいた啓輔の手を、しっかりと握る。
啓輔も、ぎゅ、と握り返した。
外の冷たい空気も気にならない程…、温かい。
「……まだ、何か信じられない。こんなに早く逢えるなんて…」
そう言って啓輔に寄り添い、また少し涙ぐむ沙織に、僕もだよ…、と切なげに呟いた。
「 でも…、どうしてあそこに?」
そう言って沙織が顔を上げると、亮太君が、と啓輔は小さく笑う。
「 急いで行かないと、姉ちゃんがお持ち帰りされるかも、って。
だから、慌てて新幹線に飛び乗った 」
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