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「 それからすぐ、亮太君から連絡が来て、君がパリに行った事を教えてくれたのが始まりだった。
姉ちゃんの事は代わりに俺が見てるから安心して、って。
本当に…、彼には感謝してる 」
……てか、亮太…。
何でアンタまで、私に何も言ってくれなかったのよ…。
亮太に軽く怒りを覚えた瞬間、沙織の携帯が鳴った。
噂をすれば、と沙織は少しドスの利いた声で電話に出た。
「 亮太?アンタね……」
暫しの会話の後、電話を切った沙織の頬は、冬だというのに熱くなり、怒りは一瞬で消えていた。
そして、照れたように啓輔を見上げた。
「 今夜は…、帰って来なくていいって…」
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