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驚いていた沙織の表情は、やがて段々と緩んでいき、大粒の涙が溢れていった。
「 ありがとう、啓輔…。私のもうひとつの夢を叶えてくれて…。
ずっと一緒に…、歩いていこ…」
啓輔はホッとしたような笑みを浮かべ、ジャケットのポケットから指輪を取り出し、沙織の左手薬指にそっと滑らせる。
キラキラと光るダイヤの指輪は、涙で滲んで余計に輝いて見えた。
「……やだ、ピッタリ…」
沙織が、ふふ、と指をかざして笑うと、調査済みだから、と啓輔も笑う。
視線を指輪から啓輔に移した途端…、沙織の唇は、啓輔の優しい唇に覆われた。
久し振りのキスは、やはり甘く。
溶けてしまいそうだった。
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