そして、幸せな未来へ

23/37
前へ
/736ページ
次へ
重ねた肌も、溶けそうなくらい熱かった。 長い間、この瞬間を待ちわびていた互いのカラダは、休む事なく求め合う。 ずっと聞きたかった互いの甘い声を聞き、ずっと感じたかった互いの温度を感じ合い…、 二度と離れたくないと、互いにキツく抱き締め合う。 もう…、不倫なんかじゃない。 堂々と愛し合える喜びが、更なる悦びを呼び寄せた。 濃いエスプレッソと、温かなミルクが混ざり合うラテのように、ひとつに交ざり合っていく。 窓の外は、いつからか雪になっていた。 薄暗い部屋の中で揺れる沙織の肌は、雪のように白く美しく…、 長い冬を越え、ようやく訪れた春の雪解けのように、共に溶けていった。
/736ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6924人が本棚に入れています
本棚に追加