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翌日、少し決まり悪そうに帰った沙織と啓輔に、
「……やっと来よったか 」
と勇三は素っ気なく呟いた。
「 沙織さんを…、僕に下さい 」
座敷に改まってすぐ、そう言って深く頭を下げた啓輔に、勇三は気難しい顔を向け、
「……将棋は出来るか 」
と突然言い出した。
一応は、と啓輔が答えると、
「 俺に勝ったらな 」
などと言い、付いて来いと背中を向ける。
頑張ります、と後ろを付いて来る啓輔に見られないように、勇三はその表情を緩ませた。
結局、何度やっても啓輔には勝てず…、
「 もう、いい加減にしてよっ!ご飯の仕度、出来てんのよっ!」
母 光代に怒られた。
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