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「 怒ってるのは、それを私に言わなかった事よ!
私が啓輔と連絡取れなくて、どれだけ不安で辛かったか知ってたくせに…!
連絡を取ってたなら、せめて啓輔に気持ちを伝えてくれるとかしてくれたって…!」
これまでの寂しさを思い出したかのように不満をぶちまける沙織に、亮太は少し険しい顔を向けた。
「 俺だって…、何度もそうさせてやりたかったよ。
だけど、そしたら段々抑えられなくなるだろ?
少しくらい話してもバレなきゃいい、って気持ちになるだろ?
奥さんとの約束、破る事になったら意味ねぇじゃん 」
沙織の表情が複雑に歪む。
片付けをする手は、完全に止まっていた。
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