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亮太は沙織の後ろから手を伸ばし、出しっぱなしだった水を止めると、手にしていた缶ビールを開けた。
「 親父が…、俺に言ったんだよ。
初めに兄貴から親父に連絡があった後、時々兄貴と連絡を取ってやれ、って。
姉ちゃんの様子を知らせれば、兄貴はそれを支えに頑張れるだろうから、って。
だけど姉ちゃんに知らせれば、姉ちゃんは余計に苦しむし、我慢出来ずに逢いに行っちゃうんじゃないか、って。
そしたら、兄貴だって困るだろ?
隠れてコソコソなんて、させたくなかったんだよ。
ちゃんと約束、守って欲しかったんだ。
俺との連絡だけなら…、約束破った事にはなんないからさ 」
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