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「 沙織ちゃんが戻ってくれて、本当に良かったわ。
あのサロン、去年潰れてしまって困ってたのよ 」
沙織は、澪が所有するこの近くのビルの1階に小さな店舗を借りて、念願だった自分のネイルサロンを開く事になった。
当面は啓輔との時間を大切にしたいから、澪の紹介してくれた前の顧客の予約だけで、のんびりと始めるつもりだ。
「 ママには本当、どう感謝していいのか…」
沙織が深々と頭を下げ、もうやめて~、と澪が逃げ出した後、沙織の携帯からメールを知らせる音がした。
「 ちょっと、ごめんね 」
そう言って携帯を開いた沙織の表情は、少し驚いたものになった。
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