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「 いえ、そうではありません 」
咄嗟にそう言ったものの、じゃあ何なんだ、って話だ。
正直に話したら、間違いなくドン引きだろう。
まるでストーカーなのだから。
だけど…、何故だろう。
沙織の真っ直ぐな瞳を見ていると、嘘や誤魔化しが罪ですら思えて来る。
……どちらが罪?
既婚者でありながら、君を密かに想う事と…、
それを隠して、今、君に嘘をつく事。
そんなの決まっている。
君を想う事が…、罪だ。
「……たまたま…、知人が入院していたので、それで…」
取りあえず、嘘は言っていない。
「 そうだったんですか 」
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