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思いきって足に最後の力を注ごうとした。
だが、そんな俺の思いを裏切って、足はずっと震えていた。
俺の体が死ぬのを拒んでいるのだろうか。
もう一度力を入れて飛び降りようと試みる。
だがそんな俺の思いは、電気信号として神経をかけめぐっている途中、筋肉に伝達される前のどこか途中で消えてしまう。
「ちくしょう!」
唇を強く噛み締めた。
「ちくしょう!ちくしょう!ちくしょう!ちくしょう!ちくしょう…」
唇から流れた血が唾液と混ざる。
本当に情けない。本当に。
あんなに決心を固めていたのに
あんなに苦しんでいたのに
死ぬ勇気もないなんて…
頭を金網に何度も打ち付けて、音は夜の闇に吸い込まれていく
そのまま声を上げて泣きじゃくった。
「死なないんですか?」
突然後ろから声が聞こえた。
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