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ドラマだったらここで、
「何やってんだ馬鹿!」
とか
「死ぬなんて、そんなことすんな!」
とか言うんだろう。
だけど、俺にはその勇気はなかった。
「何するんですか!?」
女がさっきより、ずっと強い口調でいった。非難の感情をこえて、憎しみさえこもっているように感じる。
ついに女が泣き出した。
「どうして?あなたにも私の気持ちがわかるはずよ」
「いや、その、あなたはまだとても若いですし…」
女の威圧感に負けて、つい小声になってしまう。
彼女の顔が少しうつむく。
「そんなの関係ないでしょ…」
女はそう言うと、再び金網の穴から身をのりだした。
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