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電車が動き始めてから
蓮くんはしゃがんで私の携帯を
持った。
蓮「すいません。これ弁償します」
あ……
私この人の声
ちゃんと聞いたの初めてかも…
黙っていた私に
蓮くんは不思議そうに
顔を上げた。
顔にはいかにも?が浮かんでいる
仁「あ」
「だっ大丈夫ですっケータイは無事だし!それにこのストラップただのジュースのおまけだし、しかももうだいぶ前~~のやつで古いから!」
あたしが満足そうに言い終わった目の前で蓮くんは青ざめた顔をしていた。
蓮「え…」
仁「え?」
蓮「じゃあソレもう手に入らないって事じゃ…」
どうしよう…
うわぁぁ
ものすごいヘコんでる。
超意外……
仁「あのっ…本当にもう気にしないで――」
同時に
間もなく東咲田――
東咲田
とアナウンスが入った。
ドアが開き
蓮「降りなきゃ、学年とクラスって…」
学年とクラス?
不思議そうにしている私に
蓮「何年何組?」
仁「あっ!一年一組木下仁菜子です」
言い終わると
ペコッとお辞儀をして
蓮くんは電車を降りていった。
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