ーEPISODE1ー

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――放課後のこと 大「あれー?俺があげたストラップはー?」 仁菜子の机の上にある 携帯を見て大樹が尋ねた。 やばーい… 蓮くんのことは言えないしな。 仁「ごめーん、あれ踏んで壊しちゃったんだ…」 無難でしょ、本当のことだし。 まあ、踏んだのが蓮くん だってことを除けば…だけど。 大「そーなんだ、まーあれただのおまけだしな」 仁「ごめんよー」 大「あ!そーそー、きのう久々にねーちゃんと会ったよ。」 仁「あ ホント!?お母さんとは?会えた?」 仁菜子にとっても嬉しいことなので、自然と笑顔になってしまう。でも 大「――は 仕事で会えなかった」 仁「そっか…残念だね……」 自分のことではないのに、やっぱり悲しい。 自分のことではないのに、自分のことのように喜んで悲しんでくれる仁菜子。 そんな仁菜子を見る大樹の目は とても優しいものになっていた。 大「お前がそんな顔すんなよっ 会おうと思えばいつでも会えるし。」 大樹のウチは中学の時 親がリコンして お母さんとお姉さんが家を出て 大樹は今お父さんと暮らしてる。当時は大樹もかなり落ちてたけど 大人になったもんだ。 トイレから出て手を拭きながら シミジミと思った。 「あっ」 ん…?
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