僕の彼女はクーデレで。私の彼氏は変態さん。

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  「行ってきますっ!」 「行ってきます」 家には誰もいないけどそれはご愛嬌、元気に玄関を出た。 父さん、母さんはラブラブ旅行中でハワイに行っている。仕事はそっちのけらしい。 大丈夫なのか……。 けどそれも掻き消す暑さがまた学校への道のりを遠く感じさせる。 雲一つ無い水色一色の空は尚更その太陽を際立たせ、持て余す事なく僕に日光を送っている。 「暑ぃ……」 無意識に出た言葉が一層その道のりを遠く感じさせた。 が、サボる訳にも行かないので歩きだす。それと同時に友紀も付いてくる。 「「…………」」 ……で2人無言。 ボキャブラリーが貧しい、略してボキャ貧な僕は最初のうちは喋れていたけど今ではこの始末だ。 まぁ始めでも『うん』とか『そう』くらいしか返ってこないので行く行くはお互い無言になってたんだけど…。 そんな無言の友紀を気にしつつ駅を横切る時に時計をみる。 「……お」 と、駅の側の椅子に一組のカップルがいる。制服が違うから別の学校らしい。 見るとこれぞバカップル!と言わんばかりのイチャイチャ感だ、何かイライラするね。 公共団体が新しくストレス発散方法を決めたんだ、という適当な理由で石でも投げてやろうかと思っていると、急に目の前が真っ暗になった。 「うわっ!」 その一瞬で夜になったのかと、時間を無視した考えが過り、大きくのけぞいた。 「………浮気?」
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