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「で?実際に電柱に頭ぶつけて怪我したんだ?」
「…いっつー……だってふと思い出すと…恥ずかしくて!」
「はいはい、分かったから椅子に座りなよ」
で、今が保健室。先生がいないのだがこの悪友である駆が適当に応急措置をしている状況だ。
「でも羨ましいじゃん。あんな可愛い子と付き合っちゃって、それで愚痴られても惚気にしか聞こえないよ、休み時間にあんなゲームする変態が」
やっぱり変態なのかな……いや違うね。
そしてニヤニヤしながら駆が横腹を肘でつついてくる。
「いや……でも……何て言うか、やっぱ手くらいは繋ぎたいじゃん」
さりげなく肘をUターンさせ消毒液の臭いに目を瞑る。
「固執しすぎじゃない?それ」
僕のおでこの傷に絆創膏を張りつけ苦笑いで答える。
「やっぱり恥ずかしいんじゃないの?そーゆう時は自分がどうしてこんな事をしたいかって言うものなんだよ?」
「……そこなんだよね」
無い事は無いんだが、それこそ言ってしまったら道路とかに飛び出しそうなほど恥ずかしい。
「お?その顔、あるって顔だね、まず友紀ちゃんに言う前に僕に言ってみ?」
「いや、言ったら死んでしまう」
「そんな恥ずかしい思いってもっと気になるなぁ」
駆が笑いだす、今度は苦笑いじゃなく素のようだ。
「いやいや、僕の前で言えないんじゃ絶対友紀ちゃんの時無理だよ?ねぇ笑わないからさぁ」
もう絶好調と言わんばかりのニヤニヤで寄ってくる。えぇい鬱陶しい。
「………──っ!、んじゃあ絶対笑うなよ?」
せめて友達の前ではと一台決心、駆に乗せられたんじゃないぞ。
「実は…だな?─────」
「アハハハハハハッ!何それ?さすが変態さんだね!アハハハハハハッ!」
「……………………………」
この僅か2分後駆のさっきまでとは比にならないくらいの笑い声が保健室を通り抜けて行った。
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