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妹を背負って帰りながら、少し経った頃だった。
妹は恥ずかしそうに、僕の背中に顔をうずめたままだ。
兄「…久しぶりだな、こういうの」
妹「…?」
兄「こうやっておまえを担ぎながら家に帰るのってさ。」
妹「…そだね」
聞きそびれそうになるくらいの小さい声。
…果たして、いつぐらいからだったろうか。
こうやって、妹と普通に会話するのは。
子供の頃、よくこうやって妹をおんぶして家に帰っていた。
それが僕らの日常だったのに――
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