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兄「……」
妹「……」
部屋の片隅で、妹を抱きしめ続けていた。
背中に手を回し、ゆっくりと撫でる。
妹は既に泣き止んだが、僕に抱きついたままま。
(……)
この家族の中で、妹を守ることができるのは自分だけなのに
そばにいてやれるのは、兄である自分だけなのに。
なのに、自分は無意識的に妹のことを追い詰めていた。
そんな自分が憎くて憎くて仕方が無かった。
親から非難され続けて、親戚から非難され続けて、世間から非難され続けて…
こんな長い間、暗い部屋の中で妹はどんな明日をみつめて過ごしてきたのだろうか。
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