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兄「っ ――――やめろっ!!」
気付けばそう叫んでいた。
轟音が部屋を揺らすように響き渡り、鷲掴みにする母の腕を思い切り掴んだ。
骨を折ってしまうんじゃないかと思うくらい力を込めて――
母はぎょっ目を丸くした目で僕をみつめ、すかさず妹から手を離した。
兄「…次手を出したら、その前歯圧し折るからな」
少なくとも、親に向かって聞く口ではない。
そんなことは分かっているのに、どうしても大事な妹に暴力を振るう母が許せなかった。
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