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妹「…ねぇ、おにいちゃん」
明かりのない静謐な空間の中、小さく声をかけてくる妹。
妹「どうして…あの時、守ってくれたの?」
(ああ…)
思い出したくも無い。
母が妹の髪を鷲掴みにした時の映像が脳裏を過ぎった――
兄「おまえが、大切だからだよ」
あたりまえだ。
そう言って肩まで伸びた髪をそっと撫でる
妹「大…切?」
兄「…うん」
すると、妹は嬉しそうに目を細めると
妹「そっか…」
――ふふ、と嬉しそうに笑いを漏らした。
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