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ふと気がつくと、見えない鎖に縛り付けられていた。
(……う)
体が自由に動かない。
しびれるような感覚に、思わず吐き気のようなものに襲われた。
なんだろう、この恐怖感は。
誰かに睨み付けられているような――耳元で誰かが呟いているような。
慣れない感覚に、思わず体をもがくも指一本すら動かせない。
徐々に大きくなっていく耳鳴り、それが段々女の悲鳴のように聞こえ始める。
すると段々、意識な無くなるような…魂が抜けるようになり、わけが分からなくなる。
体が振動している。恐怖で震えているのか、誰かに揺らされているのかは分からない。
体の痺れが強まっていく――
妹「…おにいちゃん」
兄「――っ」
妹が、僕のことを見下ろしていた。
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