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空っぽになった部屋には、もう妹の居場所はない。
この家庭が、妹を追放したということ。
僕は妹を抱きかかえ、自分の部屋に連れ込み、夜になるのを待った。
やがて父親が帰ってくると、まるで予想したかのように僕の部屋にやってきた。
父「…出て行けといったはずだ。なにをしている?」
妹「……」
兄「おい…どういうことだよ」
その場を立ち上がり、父を睨み付けて言う。
父「家具は全て売り払う。明日には業者が来る。やる事をやらない娘はウチにはいらない」
…本気で言っているのか? こんなの、娘に対してやることじゃない。
いや…もう娘ではないのかもしれない。あの父親にとって。
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