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そうして父はそう言ってから、その場を去った。
子供を見捨てるような、僕たちを見捨てるような視線を送って。
妹「…ごめん、いくね」
妹は目を赤くして、部屋を出て行こうとその場を立ち上がった。
兄「…まてよ」
伸びた僕の手が、妹を動きを静止させた。
どこに行くというのだろう?
妹がうな垂れるようにその場に佇んだまま、静寂が流れる。
もう妹の目には色がなかった。この世界に絶望したような、そういう…。
兄「…わかったよ」
妹「…え?」
僕は妹を連れて、家を飛び出した。
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