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町をさまよい続けて、数十分、あるいは数時間が経った。 氷のように冷たくなった妹の手――しっかりと、兄の手で妹を支えながら歩いていく。 先のみえない闇の中を進みながら、探し求める。 妹の居場所を。 僕たちの居場所を。 そんなもの、どこにも無いというのに―― 結局、辿り着いた場所は、薄暗い森の中。 木を背もたれにして、僕たちはその場に座りこんだ。
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