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『斎藤さん。私も仕事があるので失礼します!』
一刻も早くここから立ち去りたかった
この人は何を考えてるか分からないから
心の奥底まで見られているような…
人の心を見透かすような瞳から早く逃げたかった
どこに潜入してもだいたい1人はこういう人がいる
だから私は最低限その人と関わらない
斎藤さんとはこれ以上関わったら危ない
私の中のもう1人がそう言ってる…
「待て」
立ち上がった私の腕が掴まれた
『何ですか?』
冷静に冷静に…
慌てちゃだめ…
「…いや。何でもない」
パッと手が離された
蘭は軽く頭を下げてその場を後にした
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