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そうして何とかしてきた椎名だが、強いアヤカリの依頼を受けるようになると、流石に一人ではきつくなってきた。道具に頼るが故に素手になれば何も出来ない。強く賢いアヤカリに見破られ、道具を取られそうになる事もしばしばだった。
窮地に陥った時、一人ではどうにもならない。そのため、椎名はパートナーを求めていた。
■□■□■
『悪いけど無理だ。他をあたってくれ』
『――そうか』
澄んだ発音のクイーンズイングリッシュでそう言われ、椎名はわずかに肩を落とした。四宮の狩人の中で一番親しい相手に切り出したパートナーの話は、あっさり断られた。
炎を連想させる赤い髪の青年は、クラブサンドを一口かじった。昼時で人の多い四宮本部の食堂だが、椎名と青年の周りの席はぽっかりと空いている。
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