第5章

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俺が白い虎を消せた理由については魔器の能力という事で納得してもらった。 続いて姿が変わっている事については元の姿に戻るために魔法を試した結果再び失敗してこうなったと説明した。 こっちは虎を消せた時の理由以上に怪しんでいたが爺さんの知らない魔法という事で無理やり納得させる事に成功。 合わせてあの姿でギルド登録をしてもらう事についても了承してもらった。 俺自身の姿と女の時の姿にランダムで変わってしまうのだと説明していたので、『それだと大変だろうし……仕方ない』とわりとすんなりと許可をくれた。 いやー爺さんが理解力のある人で助かる。 結局ギルドの端末は特別な奴を二日後に渡してくれる事になった。 Aランクの『カイト=キハラ』という名前で新ギルドのマスターとしてのものと、融通が利くようにこちらもAランクの『キラ=イトハ』という名前で。 その二人分として一つの端末で併用できるようにわざわざ端末を爺さん自ら改造してくれるそうだ。 さすがにそこまで世話になっては申し訳ないと言ったのだが『気にするな』の一言で片づけられた。 爺さんは自分で壊したギルド本部や町の建物の修理とかで忙しいと思っての言葉だったのだが、本人がそう言うのだから気にしないでおこう。 とりあえずこれで目的は果たせたという事で爺さん共々町に戻り別れた。 帰っている途中に町をぶらついていたヒメと偶然合流し、そのついでに昨日買えなかった物を揃えて宿に帰る。 部屋に帰ってからはヒメの話を聞いたり、昨日の絵の続きを描いたりしているうちにいい感じの時間になったので就寝した。 翌日は新しい魔法陣やルールをソラに書き込んだりしていたのだが、特に列記するような事は無かったので飛ばす事にする。 さて、その翌日。 俺がギルド登録をした三日後という事で端末と新ギルド立ち上げの証明書を貰うためにギルド本部にヒメと共に朝から訪れていた。 ちなみに相変わらず男に戻る方法が不明なので女性の姿であるキラの姿のままだ。 「すいません。 端末を取りに来たのですが……」 「わかりました、お名前を伺ってもよろしいでしょうか?」 「はい、キラ=イトハです」 「かしこまりました。 少々お待ちください」 名前を聞いた受付の女性は名簿らしき物を見て俺の名前を探し始めた。
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