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珍しく静かなヒメと待つ事数分、名前を見つけたのか受付の女性は名簿から顔を上げて口を開いた。
「キラさん、総代表がお会いになるようので案内いたします」
受付の女性の後ろについて歩き、階段を上って一番奥の部屋の前に案内された。
「ここが総代表の部屋です。
ノックをしてからお入りください」
「わかりました」
そこで受付の女性は下の階へと戻っていた。
さてと、それじゃあ入るとしようか。
コンコン。
もちろんノックはするよ、そこら辺の礼儀は俺だって心得てるからな。
「……入れ」
「「失礼します」」
爺さんの返事を確認してからドアを開けてヒメと一緒に中に入る。
「何だ坊……いや今日は嬢ちゃんって呼んだ方がいいのか?」
「好きなように呼んでくれればいい。
それより端末は大丈夫なのか?」
ちょっとばかり気になっていた端末。
機械の技術が進んでいないわりにハイテクだったからたった一日で改造出来るのかを心配していた。
「端末の事は問題ない。
ほら、これがお前の端末だ」
そう言って机の上に出されたのは黒いスマホのような端末。
どことなく地球で俺自身が持っていたものに似ている。
「それに魔力を流せばお前の端末だと認証される」
爺さんの言葉を聞きながら端末を手に取り魔力を流す。
「おっ……色が変わった」
魔力を流すと同時に黒かった端末が黄色へと色を変えた。
「これでAランクのキラ?としての認証は終わりだ。
後は男の時にもう一度魔力を流せば認証は完全に終了だ」
「おう、わかった」
と、ここで今まで黙り込んでいたヒメがふと思い出したかのように口を開いた。
「それにしても……カイトの時と違ってキラの時はイマイチ見た目と口調が合わないね」
「……そこはスルーでお願いします」
もしかしてヒメが今まで黙ってたのはそれについて考えていたからなのだろうか?
……とりあえず俺としてはこのままスルーしておいてほしかったよ……
「……次言っていいか?」
すっかり置いてけぼりになっていた爺さんがぼそりと呟く。
爺さんのその言葉を聞いて慌てて、何てことはなく普通に話を聞く体勢に戻る。
そんな俺達を見て爺さんはため息をついていた。
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