序章

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親曰く、俺とあいつが初めて出会ったのは生後まもない頃……というか分娩室を出てすぐだったらしい。 なんでまたそんな早くに出会ったのかというと、驚く事に俺の母親もあいつの母親もほぼ同じ時間に俺達を産んだからの一言に尽きる。 だから当然俺達は誕生日も一緒って事になるわけだ。 しかも俺達の家はこれまた偶然な事にお隣同士であり、そうなれば必然的に触れ合う機会も多くなってくる。 そんな環境のなかで俺達はすくすくと育ち、遊べる歳になってからは常に一緒に遊んでいた。 ……余程相性が良かったんだろうな。 近所の幼稚園に通い始めてからも俺達は滅多に離れる事は無く、常に二人で一緒に行動していた。 そうそう、確かこの辺りから親に勧められて俺もあいつも習い事を始めたんだっけな。 定番のピアノや水泳、剣道や空手の他にも色々な事を教わり、ちょうどその頃放送していたアニメなんかの影響で剣術を習った事もある。 どれも教わるのは楽しかったから別に苦では無かったな。 何故そんなに色々な事をやったのかと言えば、特にこれといった深い理由は無く、たんに俺達の上達が早かっただけ。 だからなのかは知らないが、互いの親は競い合うかのように新しい習い事を俺達に勧め、俺達は俺達でそれを片っ端から上達していくもんだから止まらない。 それは小学校に上がっても休む事無く続けられ、結局中学校を卒業するまで終息しなかった。 まぁ、そのおかげで何でもできるようになったから全然後悔はしてないけども。 ちなみにそれだけ多くの習い事をしていた俺達の学校での成績はというと、冗談みたいに思えるかもしれないが普通に上位をキープ出来ていた。 だから勉強、運動何でも来い!!ってな感じだったな。
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