side of SAYO

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「よし。じゃあ行こうか」 兄さんは明るく言うとスタスタと元気に歩きだした。足取りが軽い。 わたしは小さくため息をついて、その後に続いた。 途中、ナニカの鋭い視線を感じた。どこかからミられている。嫌な感じ。 この感覚は人間によるものじゃない。霊的なナニカ。しかもひとつじゃない。2つ、3つ、………5つ。 強力な負のオーラに満ちた中級霊―つまり悪霊―の気配が、四方に5体程感じられる。 初めてだった。ひとつの場所で一度にこれ程の悪霊を感知するのは。 さすが"霊能都市"と呼ばれるだけのことはある。ここは少しヤバい。 わたしはスカートのベルトに付けた日本刀ストラップのマッキーを右手で握り締めながら、その場を後にした。
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