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一ノ瀬はまったく,気にしていない様子だった。
これは,別に俺と付き合ってると言われてもいいって事かな?などと,いい方に浩司は考えた。
そして,今日気持ちを伝えた方がいいと,浩司は決心した。
2人は,川沿いにのびる小道に差し掛かっていた。
河辺には,小学5年生ぐらいと思われる子ども達が,石を川に向かって投げて遊んでいた。
「一ノ瀬!」
浩司の呼びかけに先を歩いていた,一ノ瀬が振り向く。
「なに?」
一ノ瀬の声は,凛と澄んでいて,冷静で知的な感じがした。
浩司は,顔を赤らめて,噛まないように言葉をしっかり発した。
「俺と付き合ってほしい。」
ただ一言,その[言葉]が口から出ていた。
一ノ瀬は驚いた様子だったが,すぐに元の表情に戻り,少し考える素振りを見せている。
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