1人が本棚に入れています
本棚に追加
『ラミア、これより呪音(ジュネ)発動実験を行います。対象は前にある薔薇。発動開始3秒前、3、2、1』
無機質な機械音と共に一人の少女が息を吸った。
「《不幸の音色、呪音は未だ鳴り響く…》」
その少女の唇から紡がれた呪文から黒い霧が生まれ少女を囲んだ。
「対象を、呪え。」
少女が言うと同時に少女を囲んでいた黒い霧が一気に薔薇を黒く染めた。
だんだんと黒く枯れていき、最後には黒い灰のようになった。
『これにて呪音(ジュネ)発動実験終了、対象が呪われたのを確認。お疲れ様でした。』
それを合図に扉が開き、扉に向かって少女が歩き出した。
それと反対に白衣を着た十数人もの人物が感嘆の声を上げながら入って来た。
「流石だ…すぐに解析に回せ。」
「本当に素晴らしい能力ね…。」
その横を少女は無表情で通り過ぎていく。
最初のコメントを投稿しよう!