如月蓮という男

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その日私は山崎さんに呼ばれ町外れの宿へ向かった。 どんな話かはわからないが町外れまで来いということは仕事であることに違いはない。私は支度を済ますと一人町外れへと向かった。 日が沈む頃宿へ着くと部屋には二つの影が並んでいた。 「蓮です。まいりました。」 部屋の前でそう言うと 「どうぞ」 静かに中から声がした。 「失礼します。」 障子を開けるとそこには山崎さんとミックが向かい合って座っていた。 「ミックもか…」 小さな声でそうささやくと金色の髪のその男はうっすらと微笑んだ。 「蓮君、まあ座りなさい。」 山崎さんにそう促され私は障子を閉めミックの横に座った。 しばらく目を閉じて黙って酒を飲んでいた山崎さんがいつものように静かに 「仕事です。明後日料亭上田屋に四番隊隊士が討ち入ります。あなた達お二人はそこに来ている長州藩士を逃がす事無く狙撃してほしいのです。もちろん、誰にも知られずにね…」 そう言うと山崎さんははじめて目を開いた。 私はミックと目を合わしたあと、山崎さんに向かってうなずいた。 「たのみましたよ。」 そう言うと静かにまた山崎さんは酒を飲みはじめた。 仕事が決まれば私にそこにいる用はない。山崎さんに小さく頭を下げ 「ミック明後日に…」 そう言うと私は帰路へとついた。 「闇夜の仕事」 始まりはもう3ヵ月前……
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