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「今日は何しにきた…急用か。」
私は手元の銃を仕舞いながらミックに訊ねた。
「用は……ない❗」
そう言うとミックは銃を片付ける私に
「なんだ、客人に茶もださんのか?」
そう続けた。
私は用もなく勝手にあがりこんだものに出す茶はない。そう思ったが言えばまた「侍は」とか言いだすに違いないと思い、静かに茶の用意を始めた。
「蓮、明日組長は動かんぞ。」
急に真剣に話出したミックの声に手をとめた。
「上田屋にいる長州の奴らは3、四番隊は新人を含めた6、どうやら監察が潜むらしい。」
ミックは続けた。 「度胸試しか…」
「だな」
しばらく静かに茶の用意をしてミックにそれから一杯茶を入れた。
「表に監察が潜むし相手は3だ、俺たちが撃つこともなかろう。手入れは不要だよ。」
茶をすすりながらミックは話した。
明日どのようになるかは分からない。準備は怠らないほうがいい。
しかし畏れ入るのはミックの情報網だ、異国のものがこれだけやれるものではない。
このオランダ人はただの豪胆な男ではない。
私が信頼する男なのだ。
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