上田屋

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上田屋討ち入り当日。 私はいつもと変わらぬ朝をむかえ、いつもと変わらぬ昼を過ごす。ただ自分の中で少しづつ精神が研ぎ澄まされていくのがわかった。 太陽が西に沈みはじめるころ長屋の隅で目を閉じる。 日が沈む。 いざ、上田屋へ。 私は肩に灰色のだんだら模様の入った黒い羽織を着て、その上に漆黒の布を掛け日の沈んだ町に融けていく。
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