自然の産物

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 見渡せば一面に飾り気のない世界が広がっていた。  空は黒く、大地には草木などない荒野が広がっている。  僕は“何”なのか、“何故”目覚めたのか。いくら頭の中を探っても何も出てきはしなかった。 『こっちにおいで』  突如頭に響いた声に心臓が飛び上がったが、その声はどこか暖かく、優しかった。  気づけば自然に足は前にと運ばれていた。一歩一歩、着実に。
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