パティシエになる、その時。

2/18
前へ
/18ページ
次へ
「うわああぁ、今回もギリギリ合格ラインだぁ…」 前回のスイーツテストの成績表の前で、一人の女性が肩を落としていた。 彼女の名は『ころん』。この物語の主人公だ。 ころんは凄腕マジカルパティシエの母と町医者の父の三人暮らし。母の様に、みんなに笑顔を届けたい。そんな一心で、この『パティシエ魔法学校』に入学した。 入学式の日に、校長から一人一人、直々に『今最も長けているスイーツ』を教えてもらい、それを卒業課題とし、学んでいく学校だ。ころんは『イチゴタルト組』に割り振られた。 そして学ぶ事三年。 卒業試験を間近に控えたテストの成績は、合格ラインの赤線から5つ上に名前がある程度。このままでは、卒業が危うい。担任の先生からは、『母親はレシピ本まで出版しているのに、貴女ときたら…』と呆れられる始末だった。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加