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「さて。ここは何処だろうか。」
おはようございます。
貴方の澤村刻馬です。
目が覚めると、そこは知らない森だった。
全裸だった。
「………ふむ。」
普段使わない脳みそをフル活用し、状況を整理してみる。
どうやら夢だと思っていた神やら勇者やらのくだりはリアルだったらしい。
でなければ現状に説明がつかない。
とすれば、だ。
「―――――。」
自分の影を見つめ、集中。
数秒も経たない内に変化は現れた。
自らの影からウネウネと陽炎のように伸びるそれを見て、嘆息。
(どうやら本当だと認めないといけないらしいな……チカラ使えるし。)
ポリポリと頭を掻きながら、再度嘆息。
ついでに能力……《黒悪夢》を使い、あるものを創り出す。
「よし……完璧だ…!!」
渾身の集中力で創り上げたそれ……
黒いズボンと黒いシャツ、そして黒いパーカーに、黒いパンツ。
それらを装着し、改心の出来に唇を歪ませる。
といってもパーカーは袖が短く、全体的なサイズが妙に大きくなってしまい、ハッピのような形になってしまったのだが……まあそれはよしとしよう。
何事も妥協が肝心だ。
……あれ?違う?
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