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ズダンッ!! という豪快な音と共にその人は私とオーク達の間に降り立った。
そのままサッと立ち上がるとジロリとオークを睨めつける。
「な、何だお前はブヒ!!?」
うろたえたオーク達の一人が動揺したように叫ぶ。
それは私も同じだった。
私の方からは後ろ姿しか見えないが、ズボンも服も、羽織っているローブのようなものも全て黒一色。
さらには目と髪まで見たことの無い黒。
そして極めつけは全身を彩る漆黒の紋様。
あまりに異常なその出で立ちが、その男性の存在を圧倒的なものだということを伝えていた。
男性はゆっくりと口を開く。
「……ふん。ネコミミを虐める馬鹿な家畜共に名乗る名は無い。
虐めていいのはキメ〇アントのネコミミだけだ。」
憮然と言い放ったその高圧的な口調にオーク達が一歩後ずさる。
「名前なんか聞いてねぇ!!
お前その話し方……王国の騎士ブヒか!!?」
確かに男性の話し方は騎士に通じる物があった。
高圧的な物言いに、どこか誇りのようなものがこめられた口調。
どれも王国の騎士がよく使う言い回しだ。
「……騎士などではない。私はただのしがない傭兵である。」
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