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ぞくり、と背筋が震える。
それ程の感情がこめられた言葉だった。
何処か暗く、しかしはっきりとした決意の言葉。
誇りと意思と、想いを秘めた男の言葉。
唇の端を歪めて笑う男性に威圧され、オーク達は怯えたように、また一歩後退る。
「貴様に教えておいてやろう……
私は『神の右席』であると同時に、ニートでもあるのだよッッ!!!」
真横に奮われる腕と連動するように吹き飛ぶオーク達。
距離があった筈なのに攻撃を当てた事に、驚愕しつつ男性を見て、ふと気付く。
いつの間にか男性が掴んでいた巨大な武器。
それは一見、騎士の使う槍とも見紛う鋭い先端をもったメイスだった。
端から端まで漆黒の、3、4mはあるであろうそれを、男性は片腕で軽々と振り回す。
その怪力も凄まじいが、注目すべきは武器の出所だ。
先程まで、彼は確かに手ぶらだった筈だ。
(………まさか……空間魔法…?…それとも…転移の応用……?)
どちらにせよ凄まじい技術なのには変わり無い。
「ブヒヒィィーーー!!!?」
「ゲヒャぁーー!!?」
「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラッ!!?……舌噛んだッ!!?」
男性は何故か口元を抑えながら、片手間のように奮うメイスでオーク達を粉砕していく。
オーク達もなんとか抵抗しようと、三人で協力してメイスを受け止めようとするも、男性の腕力に一秒ともたず薙ぎ払われる。
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