遭遇的な何か。

13/27
前へ
/122ページ
次へ
「あ、ありがどうございまずぅ………ぐずっ……。」 顔をグシャグシャに歪め、泣き笑いのような表情をつくって少女は何度も礼を言った。 てか涙拭けよ。頭を上下させる度に液体が飛んで来てんぞ。 「………あ。………そういや自己紹介まだだっけ? 俺は澤村……あー、ちょっと待って。 この国って名字が最初?後?」 「……ずずっ…後……ですけれど……?」 「分かった。鼻かんでたとこ悪いな。 俺はコクマ=サワムラだ。フリーの傭兵。」 この世界では傭兵で通そう。 出身地とかきかれてもごまかし易そうだし。 「私は…リラ=アルケット、です。 コクマさん。私、報酬とか言いましたけど、今本当に何も持ってないのです、だから………」 「いいよ、別に。今はリラさんの村の人達を助ける事が先だろう?」 まだ眼の端に涙を浮かべながら、不安そうな表情で告げるリラを安心させるため、笑顔を向けながら優しく言ってやる。 自分でやっといてだけどキモいな俺。 「ありがとうございます……コクマさん…… …案内します、ついて来てください。 あと、私の名前は呼び捨てで大丈夫なのです。」 「了解。」 さあ、無双タイムと行きますか!!!!
/122ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4243人が本棚に入れています
本棚に追加