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「あ、ありがどうございまずぅ………ぐずっ……。」
顔をグシャグシャに歪め、泣き笑いのような表情をつくって少女は何度も礼を言った。
てか涙拭けよ。頭を上下させる度に液体が飛んで来てんぞ。
「………あ。………そういや自己紹介まだだっけ?
俺は澤村……あー、ちょっと待って。
この国って名字が最初?後?」
「……ずずっ…後……ですけれど……?」
「分かった。鼻かんでたとこ悪いな。
俺はコクマ=サワムラだ。フリーの傭兵。」
この世界では傭兵で通そう。
出身地とかきかれてもごまかし易そうだし。
「私は…リラ=アルケット、です。
コクマさん。私、報酬とか言いましたけど、今本当に何も持ってないのです、だから………」
「いいよ、別に。今はリラさんの村の人達を助ける事が先だろう?」
まだ眼の端に涙を浮かべながら、不安そうな表情で告げるリラを安心させるため、笑顔を向けながら優しく言ってやる。
自分でやっといてだけどキモいな俺。
「ありがとうございます……コクマさん……
…案内します、ついて来てください。
あと、私の名前は呼び捨てで大丈夫なのです。」
「了解。」
さあ、無双タイムと行きますか!!!!
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